巨人の里

巨人と対面

サラキーンの話
サラキーン エロールの子よ。ここはお前達の来る所ではない。去れ。
アイシャ サルーインと戦わなきゃならないの。力を貸して。
アルベルト サルーインと戦わなければなりません。力を貸してください。
ジャミル サルーインと戦わなきゃならねえんだ。力を貸してくれよ。
クローディア サルーインと戦わなければなりません。力を貸してください。
グレイ サルーインと戦う。力を貸せ。
バーバラ サルーインと戦わなきゃいけないの。力を貸してちょうだい。
シフ サルーインと戦わなきゃいけないんだ。力を貸しておくれよ。
ホーク サルーインと戦わなきゃならねえんだ。あんたも力を貸してくれよ。
サラキーン 我々はサルーインなどと関わり合いは無い。サルーインがどうなろうと、どうでも良いことだ。
アイシャ でも、サルーインが甦って神々の戦いが始まれば、世界は破滅よ。関係なくないよ。
アルベルト しかし、サルーインが甦って神々の戦いが始まれば、世界は破滅です。関係は大いにあります。
ジャミル でもよ、サルーインが甦って神々が戦い始めたら、世界は破滅だぜ。関係なくねえだろう?
クローディア しかし、サルーインが甦って神々の戦いが始まれば、世界は破滅です。関わらずに済ませることなど出来ないでしょう?
グレイ サルーインが甦って神々の戦いが始まれば、世界は破滅だ。それでも無関係だと言うのか。
バーバラ あたしだって別にサルーインはどうでもいいんだけど、世界が滅ぶのを黙って見てられないわ。
シフ あたしだってサルーインと関わり合いなんか無いさ。でもね、やらなきゃ世界は滅亡だよ。仕方ないだろう。
ホーク サルーインと神々が戦えば、世界は破滅だ。俺だってサルーインとは何の関係もねえんだが、仕方ねえだろう。
サラキーン 神々とは、そういうものだ。
  我々を、争いの道具に使うのだ。
  巨人、龍、魔王。
  お前達よりも遥かに強力な者達を僕に使って、神々は争った。
  巨人族も敵味方に分かれ殺しあった。そして世界は滅んだ。
  神々は去り、取り残された我々は必死に生き延びた。もう、神々の勝手な戦いに巻き込まれたくないのだ。
アイシャ あたしたちに黙って死ねというの。今、戦っているのは神々じゃなくて人間なのよ。必死に生き延びるための戦いなの。
  あなたのような力はないけど、それでもやらなきゃいけないの。
アルベルト 私たちに黙って死ねというのですか。今、戦っているのは神々ではなくて人間なのです。必死に生き延びるための戦いなのです。
  あなたのように力はありませんが、それでもやらなければならないのです。
ジャミル 俺たちに黙って死ねっていうのかよ。今、戦ってるのは神々じゃなくて人間なんだよ。生き延びるために必死なんだよ。
  あんたらみたいに力はねえが、それでもやらなきゃならねえんだよ。
クローディア 分かったわ。あなた達にはあなた達の選択がある。でも、私は黙って滅ぶのはイヤ。生き延びるために出来ることはする。
  だから、何でもいいの。何か役に立つものがあれば手に入れたい。情報があれば知りたいの。
グレイ 神々とあんた達のいきさつは、俺には関係ない。俺は今、生き延びるために戦っている。そのためには力がいる。
  巨人には人間に無い力がある。それを借りたいだけだ。
バーバラ あなたの気持ちは分かるけど、あたし達のことも分かって。町、村、家。家族との生活とか、命とか、色んな物が失われてしまう。
  守りたいの。こんなちっぽけなあたしが、神と戦ってどうにかなるとも思えないけど。でもね、じっとしてる気には、なれないの。
シフ あんた達巨人族は強いから、世界が滅んでも生き延びることが出来たんだろうけど、あたし達人間はそうはいかないんだよ。
  そうなる前に戦って勝つしかないんだよ。
ホーク 分かるぜ。俺だって自由に生きてきたつもりが、運命だかなんだか知らんが、いつの間にやらこういう流れだ。サルーインと戦うしかないらしい。
  だがよ、よくよく考えれば、戦うのは俺だ。神でも他人でもねえ。俺の運命は俺が決められるわけだ。
サラキーン エロールは賢い神だな。人間を力弱く作った。
  力が無いから、知恵がいる、勇気がいる。
アイシャ だとしたら、わたしにはどっちも足りないわ。
アルベルト だとしたら、私にはどちらも足りません。
ジャミル 知恵と勇気ね。俺にはどっちも無さそうだな。
クローディア 知恵と勇気だけではサルーインを止めることはできないわ。
グレイ 知恵でも勇気でも、この際使えるものは何でも使うんだ。
バーバラ 知恵と勇気か。こんなことなら、もっと色々勉強しておくんだったよ。
シフ どうせだったら力もくれると良かったんだけどね。
ホーク 知恵とか勇気とか、そんなんじゃねえよ。そんな風に思いこまねえと俺自身が前に進めねえんだよ。
サラキーン ふははははっ。エロールの手助けをするつもりはないが、お前達の手助けはしよう。
  巨人族には古い時代の道具が色々とある。それを使えるようにしてやろう。
アイシャ ありがとう。あなた達のためにも精一杯、やってみる。
アルベルト ありがとうございます。あなたたちのためにも精一杯、やってみます。
ジャミル ありがとうよ。あんた達のためにも、やれるだけやってみるよ。
クローディア 生き延びられるかどうか分からないけど、ありがとう。
グレイ 感謝する。結局、俺が勝てば巨人も生き残る。悪い賭けではないはずだ。
バーバラ ありがとう。世界が滅びないように、頑張ってみるわ。
シフ ありがとう。あんた達のためにも、やれるだけやってみるよ。
ホーク ありがとうよ。あんたらの運命も、俺がしょってるってわけだからな。俺が勝つように応援でもしててくれよ。
サラキーン 我々は運命に従うまでだ。サルーインは山脈が南端で途切れる所、お前たちがイスマスと呼んでいる場所にいる。
アルベルト イスマスに!
サラキーン 帰りに、城を通っていくのは難儀だろう。近道を通っていけ。
 



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